【入門】基本用土 赤玉土とは?特徴・成分・効果について【配合方法も解説】

ガーデニングのマストアイテムが、植物を育てる土。
前回は、土づくりのベースとなる基本用土 黒土について解説しました。
基本用土はほかにもいくつか種類があり、今回は同じく基本用土である赤玉土について解説します。
赤玉土は、使い勝手のよい基本用土で、幅広い用途で活躍。
鉢やプランターでのガーデニングにも多く使用されています。
万能とも言われる赤玉土についてしっかりと知識を身に着けて、ガーデニングを楽しみましょう。
目次
赤玉土とは?

赤玉土は、関東ローム層の赤土から作られた土。
栃木県、男体山から噴出した火山灰が降り積もってできた土壌です。
Point
黒土も、関東ローム層から採掘される火山灰の一種。
赤土を掘り出し、乾燥させたり、粉砕して粒状にしたものが赤玉土と呼ばれています。
赤玉土は、地中で長年堆積しているため、病原菌の心配がほとんどなく使い勝手の良い土です。
さまざまな植物のガーデニングで活躍。
赤玉土の特徴
赤玉土は、さまざまな用途で使用される基本用土です。
通気性・保水性・排水性・保肥性に優れた土で、万能な土としても知られています。
赤玉土は、ふるいにかけて大きさ毎に分けられ商品化されています。
肥料成分を含まないため、肥料のコントロールが出来る点も魅力です。
赤玉土の重量は約0.8g。
一般的な園芸用土の比重に比べるとやや重い土と言えます。
Point
一般的な園芸用土の重さは、0.4~0.6gが適正。
赤玉土の成分
赤玉土の成分は、主にケイ酸・鉄・アルミニウム。
名前の由来でもある赤褐色の色合いは、鉄を含んでいる影響です。
ほぼ無菌なので、活躍の幅が広い特徴を持っています。
赤玉土のpH
赤玉土は、pHが5~6の弱酸性の土です。
植物の多くは弱酸性の土でよく生育するため、赤玉土が多くの場面で使用される理由でもあります。
注釈
pHとは、水素イオンの濃度を示します。pHが7で中正になり、pHが小さいほど酸性に近く、pHが大きいほどアルカリ性に近いと覚えておきましょう。
赤玉土の注意点
通気性・保水性・排水性・保肥性に優れ、万能とも言える赤玉土ですが、いくつか注意点もあります。
1つ目は、水やりや雨風によって風化すると、粒状から赤土になってしまう点。
赤土は、排水性が悪くなり、根腐れの原因になります。
定期的に土の状態を確認しましょう。
2つ目は、アルミニウムを成分に含む点です。
アルミニウムは、リン酸と結びつきやすい成分。
肥料としてリン酸をまいても、植物にいきわたるのは約20%と言われています。
Point
リン酸は肥料の三大要素。不足すると植物や果実の生育が悪くなります。
これらの問題点を改善するため、土のブレンドがおすすめ。
赤玉土の種類

赤玉土は粒の大きさによって種類や使い方が異なります。
大きさは主に5つに分類。
- 大粒
- 中粒
- 小粒
- 細粒
- 微塵
赤玉土の特徴として、粒が大きいほど排水性と通気性がよく、粒が小さいほど保水性と保肥性がよくなります。
大粒
粒の大きさ:約12~20mm
赤玉土の大粒はゴロ土とも呼ばれ、その名の通りゴロっとしたかなり大きな粒が特徴です。
主に鉢底石として使用されます。
土に少量を混ぜて使用する場合も。
大粒の赤玉土を混ぜると、隙間が生まれるので通気性と排水性がよくなります。
水やりを繰り返すうちに粒が崩れてくるので、定期的に交換しましょう。
中粒
粒の大きさ:約6~12mm
中粒は、大きな植物を鉢植えする際に多く使用されています。
小さい鉢では、中粒を鉢底石としての使用も可能です。
鉢底石によく使用される軽石よりも保水性が高いため、水切れが悪い環境が苦手な植物にもおすすめ。
小粒
粒の大きさ:約3~6mm
中粒よりも保水性が高く、適度に排水性もある赤玉土です。
最もよく使用されており、植物が安定するメリットもあります。
腐葉土とブレンドして植物の植え込みに使用するほか、挿し芽や挿し木にもよく使用される土です。
細粒
粒の大きさ:約1~3mm
細かい粒状の赤玉土です。
挿し木に使用される場合が多いですが、小粒と合わせて使用される場面もあります。
単体で使用すると、排水性と通気性が極端に悪くなるので、小粒とあわせて保水性と保肥性をよくするのがおすすめです。
微塵
小粒の赤玉土をふるいにかけた際にでる粉状の赤玉土が、微塵です。
細粒と同じような使われ方をします。
赤玉土は輸送時に微塵が発生。
使用する際に、ふるいにかけ微塵を取り除きます。
取り除いた微塵は、挿し木に使用したり、小粒と混ぜ合わせて使用しましょう。
例外:硬質赤玉土
赤玉土の種類ではなく、商品名ですが「硬質赤玉土」という土があります。
硬質赤玉土は、赤玉土を高温で焼き固め、高度を硬くした土です。
赤玉土の崩れやすい弱点を補える特徴を持っています。
通気性と排水性が長期間持続するので、あまり植え替えを行い盆栽やアクアリウムなどに使用。
硬質赤玉土も赤玉土同様、粒の大きさ別に販売されています。
赤玉土とブレンドされる主な土

ここまで、赤玉土の特徴や種類について解説しました。
赤玉土は、通気性・保水性・排水性・保肥性に優れていますが、風化しやすく、単体では栄養を持たない土です。
以下では、赤玉土とブレンドされる主な土についてまとめます。
- 赤玉土7:腐葉土3
- 赤玉土6:腐葉土3:ピートモス1
- 赤玉土6:腐葉土2.5:バーミキュライト1.5
- 赤玉土6:腐葉土3:桐生砂1
- 赤玉土6:ピートモス3:もみ殻くん炭1
赤玉土7:腐葉土3
赤玉土を使用した基本となるブレンド。
赤玉土は、栄養をのない土なので、有機質な腐葉土とのブレンドは有名です。
赤玉土7:腐葉土3のブレンドは、ほとんどの植物に対応できる万能なブレンドで、多くの場合に採用されています。
赤玉土7:腐葉土3をベースにして、植物に合わせて細かい調整をするのがおすすめ。
赤玉土6:腐葉土3:ピートモス1
ベースとなるブレンドから、保水性や排水性を調節する際にはピートモスを加えましょう。
ピートモスは、保水性・保肥性・通気性が向上します。
ただし、酸性なので、量が多すぎないように注意が必要です。
赤玉土6:腐葉土2.5:バーミキュライト1.5
多肉植物を育てる際におすすめのブレンドです。
バーミキュライトは、軽量で保水性・保肥性に優れています。
赤玉土同様、無菌なのもポイントです。
赤玉土6:腐葉土3:桐生砂1
乾燥気味の状態を好む、観葉植物におすすめのブレンドです。
ほとんどの観葉植物に対応できます。
室内で育てる観葉植物は、保水性よりも排水性が重要です。
排水性を高めるため、桐生砂を加えています。
桐生砂の代わりに、軽石を加えるのもおすすめ。
保水性が高すぎると、適切な水やりでも根腐れを起こしやすいので、注意が必要です。
赤玉土6:ピートモス3:もみ殻くん炭1
観葉植物は虫が気になるという方におすすめなブレンドです。
腐葉土は虫が好むため、ピートモスで代用します。
ただし、ピートモスの割合が多いと酸性なりすぎる弱点も。
ピートモスの酸性を中和するために、もみ殻くん炭を加えます。
もみ殻くん炭は、排水性もよくするため、おすすめです。
まとめ
本記事では、赤玉土の特徴・種類・主なブレンドなどを解説しました。
赤玉土は、その万能さから幅広い用途で土づくりに活用されている土です。
赤玉土について理解を深めると、ガーデニングがさらに面白くなります。
ぜひ、土づくりに活かしてみてください。
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投稿者プロフィール
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コーヒー歴10年以上。コーヒーと紅茶を愛するwebライター。
喫茶店が大好きで、新しい味わいとデザインに出会うために日本中を旅しています。
webマーケティングやwebデザインも手掛ける。最近の趣味はインドアガーデニング。
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