【基本】ロブスタ種とは?コーヒーの原種について【特徴・違い】

コーヒー豆

コーヒーにはさまざまな品種がありますが、原種と呼ばれる3つの品種をご存じですか?

普段コーヒーを飲む際には、あまり意識しませんが、本格的にコーヒーを学ぶと必ず出てくる原種。

コーヒーについて深く知ると、よりコーヒーを美味しく味わえます。

コーヒーの3大原種は、アラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種がありますが、特にアラビカ種とロブスタ種が多く流通。

アラビカ種については、こちらの記事をご覧ください。

>>【基本】アラビカ種とは?コーヒーの原種について【特徴・違い】

本記事では、ロブスタ種の特徴・アラビカ種との比較・主な活用方法について解説します。

ロブスタ種の特徴

コーヒー豆

ロブスタ種は「カネフォラ種ロブスタ」が正式名称。

本来はカネフォラ種と呼ぶべきですが、一般的にはロブスタ種としての名称が知られています。

コーヒーは、3大原種がありますが、アラビカ種とロブスタ種だけで、世界中に流通しているコーヒー豆の99%を占めるとも。

ロブスタ種は、流通するコーヒー豆の30%~40%を占めます。

一方で、ロブスタ種は独特な風味から、ドリップコーヒーにはあまり適さないとも。

以下では、ロブスタ種の特徴について解説します。

アフリカ原産

ロブスタ種は、アフリカ原産の品種です。

1898年にアフリカ コンゴで発見されました。

ロブスタは、ラテン語で「頑丈な、丈夫な」の意味。

その名の通り、病気に強く、環境への適応力も高い品種です。

病気に弱く収穫量の低いアラビカ種に比べ、収穫量が多く低地での栽培もできると、世界中へ流通しました。

補足

ロブスタ種は、正確にはカネフォラ種の変種の1つ。

主な生産地

ロブスタ種の主な生産地は、ベトナム・インドネシア・インド・ブラジルなど。

特に、アラビカ種の栽培に不向きとされているアジア諸国での栽培が盛んです。

ベトナムはロブスタ種の生産高から、世界第2位の生産国になっています。

インドネシアでは、かつてさび病によってコーヒーノキが壊滅したため、ロブスタ種の産地に移り変わりました。

その他地域でも、アラビカ種が栽培できない標高500m以下の土地でロブスタ種が栽培されるケースが多いです。

味わいは大味

病気に強く、収穫量が多く、低地でも生産可能。

よいところだらけのロブスタ種に思えますが、世界的な生産量はアラビカ種の方が多いです。

日本のカフェで飲むコーヒーのほぼすべてがアラビカ種であるのもポイント。

一部ショップやカフェでは、あえてロブスタ種を取り扱っている場合もありますが稀です。

ロブスタ種が出されない最大の理由は、大味で独特な香りをもつため。

以下では、アラビカ種との違いについて詳しく解説します。

ロブスタ種とアラビカ種の違い

コーヒー豆を持つ女性

ロブスタ種は、インパクトのある苦味や渋みがあるコーヒーです。

風味がかなり強く、強烈な香ばしさや味わいを苦手とする方も多くいます。

ブラックで飲むのはかなり稀。

麦茶のような香ばしさや泥臭さも併せ持っているので、ほとんどの場合、ブレンドされるか練乳や砂糖をたっぷり入れて飲みます。

以下では、アラビカ種と大きく風味が異なる理由についてまとめました。

アラビカ種との違いは成分

コーヒー豆には、オリゴ糖(少糖類)が含まれており、焙煎するとキャラメルを思わせる香りがするのもオリゴ糖が理由です。

ロブスタ種は、アラビカ種に比べ、オリゴ糖の含有量が少なく、コクや風味が大味になります。

一方、カフェインの含有量はアラビカ種の2倍と、ロブスタ種に多く含まれるのも特徴。

また、クロロゲン酸によってロブスタ種特有の苦みが生まれます。

その他の違い

ロブスタ種は、アラビカ種に比べ、安価で取引されています。

また、風味が変化しにくいという点も。

これらの特徴から、価格を抑えるためのブレンドやインスタントコーヒーの原料に使用。

アラビカ種とは違った活用がされています。

ロブスタ種の主な活用方法

コーヒー

ここまで、ロブスタ種の特徴やアラビカ種との比較について解説しました。

ロブスタ種は、病気に強く収穫量の多い品種ですが、大味で独特な香りによりカフェや専門店ではあまり扱われていない品種です。

以下では、ロブスタ種の主な活用方法についてまとめます。

インスタントや缶コーヒーに使用

皆さんがロブスタ種を口にする最も多い機会は、インスタントコーヒーや缶コーヒーです。

ロブスタ種は安価に取引されているため、インスタントコーヒーの原料や缶コーヒーの原料により利用されています。

風味の変化が起こりにくい点も、生産後、すぐに飲まれない商品に適した品種です。

価格を抑えるため、ブレンドに使用

アラビカ種の風味を活かしつつ、価格を抑えるために増量用としてブレンドに使用されるのがロブスタ種です。

ロブスタ種がブレンドされているコーヒーは、わずかにピリッとした刺激を感じます。

メーカーの努力もあり、美味しさを損なわないように作られているのでわからない場合も多いです。

かつては、コストダウンを図るため、ロブスタ種をブレンドするのは一般的でした。

しかし、最近ではアラビカ種のブレンドでコストを抑える商品も増えています。

ハイブリッドな品種が登場

近年では、アラビカ種とロブスタ種のハイブリッドな品種が登場しています。

品種改良により、豊かな風味を持った、病気に強い品種を生み出そうとする取り組みです。

西アフリカでは、アラビカ種とロブスタ種を交配させた品種の生産が増加。

コロンビアでは、ハイブリッドな品種をさらに改良したコーヒーが主流になっています。

今後、さらに美味しいハイブリッドな品種が登場すると考えられており、自宅でも味わえると人気です。

まとめ

本記事では、ロブスタ種の特徴・アラビカ種との比較・主な活用方法について解説しました。

ロブスタ種は、一般的にカフェや専門店で取り扱われない品種です。

しかし、近年では品種改良により、ハイブリッドな品種も登場しています。

独特な風味を好んで、自宅でもロブスタ種を飲まれている方もいるので、一概におすすめできないコーヒーではありません。

なかなか入手するのは難しいですが、興味がある方はぜひ一度、試してみてはいかがでしょうか。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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投稿者プロフィール

ryonote
コーヒー歴10年以上。コーヒーと紅茶を愛するwebライター。
喫茶店が大好きで、新しい味わいとデザインに出会うために日本中を旅しています。
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