【入門】基本用土 黒土とは?特徴・成分・効果について【配合方法も解説】

黒土と園芸

ガーデニングを行う上で、大切な土づくり。

これからガーデニングを本格的に始めようとする方にとって、土づくりは最初のハードルです。

興味はあるけれど、どうやって土づくりをしていいかわからないという方は多くいます。

土づくりを勉強すると、必ず出てくるのが黒土です。

基本用土である黒土は、多くの方が目にした経験のあるワード。

しかし、どのような特徴があるのか、どのような場合に使用するのかは意外と知れれていません。

本記事では、黒土の特徴・主なブレンド・主な使い方について解説します。

こちらの記事で土づくりについてチェックしておくと、より本記事への理解が深まります。

>>【入門】おすすめの土づくり!植物に良い土ってどんな土?【初心者必見】

黒土とは?

黒土とコーン

黒土とは、関東ローム層※1から採掘される火山灰の一種です。

その名の通り、真っ黒な色をしており、ホクホクとした感触から「黒ボク」とも呼ばれます。

※1

関東地方の火山灰土壌に、植物が腐敗したものが合わさり堆積した土を黒土と呼ぶ。

チェルノーゼムと呼ばれる東欧や来たアメリカの土壌とは、真っ黒な見た目は同じですが、性質が異なるので注意が必要です。

植物を育てるベースとなる基本用土。

ホームセンターや園芸店ではお馴染みの土です。

黒土は、落ち葉や木の根っこが微生物によって分解されてできるため、完成までにとても長い年月を必要とします。

黒土の特徴

黒土は、保水力と保肥力に優れたやや酸性の土です。

畑やガーデニングと幅広く使われています。

黒土のメリット・デメリットは以下の通りです。

黒土のメリット

  • 保水性、保肥性に優れる
  • ふかふかの土壌で、根を張りやすい
  • 土壌の保温にも効果的

以下では、それぞれについて解説します。

保水性、保肥性に優れる

黒土は、作物が必要とする水分をためておける特徴を持ち、乾燥が苦手な植物には最適な環境です。

また、有機物を多く含むため、栄養分もためる性質があります。

一時的に養分を蓄えてくれるので、養分の過不足が起こりにくく、効率よく栄養を植物が吸収できるメリットをもった土です。

ふかふかの土壌で、根を張りやすい

黒土は、ふかふかでやわらかい土です。

耕しやすく、柔らかい土は、植物が根を張りやすいメリットがあります。

黒土は、植物や野菜の栽培に向いた土です。

土壌の保温にも効果的

黒土は、土壌の保温にも効果的です。

太陽の熱を吸収しやすい性質を持っており、土壌に熱をためこみます。

寒い地域や寒い時期での栽培に適した土です。

黒土のデメリット

  • 排水性、通気性が悪い
  • リン酸を奪う
  • 酸性がやや強い

以下では、それぞれについて解説します。

排水性、通気性が悪い

黒土は、排水性・通気性がよくありません。

排水性が悪いと、根は加湿状態が続き、酸素不足を起こして根腐れする危険性も。

植木鉢でのガーデニングでは、黒土が多いと根腐れを起こす原因になります。

黒土を使用する際には、土の量を抑え、ほかの土とブレンドして使用しましょう。

リン酸を奪う

黒土には、リン酸欠乏になりやすいデメリットがあります。

肥料としてあげたはずのリン酸の栄養分を、黒土が吸収してしまい、結果植物がリン酸欠乏になりやすいという事態に。

リン酸は、開花や結実を促進するため、リン酸が不足すると、生育不良を起こします。

対策として、リン酸肥料の割合を増やすか、黒土の割合を減らしましょう。

Point

堆肥を混ぜたり、石灰をまいて土壌を弱酸性に保つのがおすすめ。

酸性がやや強い

黒土はやや酸性の度合いが強い土です。

野菜の栽培では、石灰や堆肥で中和しましょう。

ホームセンターで扱われている黒土を含む培養土の多くが弱酸性へ抑えられています。

黒土とブレンドされる主な土

ガーデニング

ここまで、黒土の特徴やメリット・デメリットを解説しました。

黒土は保水性・保肥性に優れた土ですが、排水性・通気性が悪くリン酸を吸収してしまう性質があります。

用土のデメリットは、ブレンドして改善するのが一般的です。

以下では、黒土とブレンドされる主な土を解説します。

  • 黒土+堆肥
  • 黒土+赤玉土(または鹿沼土)
  • 黒土+バーミキュライト
  • 黒土+パーライト
  • 黒土+川砂

黒土+堆肥

黒土そのものは栄養素をほとんど含みません。

そのため、より栄養分を多く含む堆肥とのブレンドは、定番の1つ。

堆肥は排水性と通気性に優れ、黒土とブレンドすると根腐れしにくい土を作れます。

畑や菜園などの古い土に混ぜると、土を元気にできるのも特徴です。

黒土+赤玉土(または鹿沼土)+腐葉土

赤玉土や鹿沼土は水はけがよく、堆肥や腐葉土とともにブレンドするのもおすすめ。

腐葉土は優れた改良用土で、一般的に使用されています。

赤玉土は肥料成分を含まない為、腐葉土や堆肥などを一緒にブレンドしましょう。

黒土+バーミキュライト

バーミキュライトは、非常に優れた保水性と通気性をもった軽量の土です。

通常、黒土の通気性を補うためにブレンドされます。

黒土は保温性に優れていますが、熱がこもりがちというデメリットも。

バーミキュライトは、断熱性が高く、温度の調整がしやすくなるメリットがあります。

黒土+パーライト

パーライトは、排水性と通気性がよく、保水性と保肥性のない土です。

黒土と真逆の性質を持っており、互いの欠点を補うため、調節用に使用されます。

ちなみに、酸性の調整には苦土石灰が使われる場合も多いです。

黒土+川砂

川砂は、排水性と通気性に優れ、黒土の排水性のデメリットを補える土です。

本来、サボテンや多肉植物などの水分をあまり必要としない植物によく使用されます。

黒土と川砂をブレンドすると、水はけのよい環境で発育する植物に向いた土になります。

砂川は、肥料成分が流れやすいデメリットがありますが、黒土の保肥性で補えるため、バランスのよいブレンドです。

黒土の主な使い方

野菜と黒土

ここまで、黒土の主なブレンドについて解説しました。

黒土の欠点を補うため、堆肥やバーミキュライトなどの土がブレンドに使用されます。

ブレンドによって作られてた土は、さまざまな場面で活躍。

以下では、黒土の主な使い方について解説します。

  • 野菜作りの土壌
  • 草花や球根の土壌
  • プランター

野菜作りの土壌

黒土は柔らかく、野菜の栽培に適した土です。

野菜が変形せずに成長でき、特に大根やにんじんなどの根菜類には最適な環境と言えます。

おすすめの配合比

黒土2:赤玉土3:堆肥5(または堆肥3:腐葉土2)

黒土をベースに、栄養のある堆肥や腐葉土をブレンド。

通気性を改善するため、赤玉土も混ぜています。

より酸性を中和したい場合には、もみ殻くん炭を1割まぜるのもおすすめ。

草花や球根の土壌

土の中に養分を蓄えられる黒土は、草花や球根の土壌にも適しています。

球根や草花が必要なときだけ栄養を補給できるのが大きなメリットです。

おすすめの配合比

黒土3:赤玉土2.5:腐葉土4.5

赤玉土と腐葉土を多めにブレンドすると、根腐れしにくいフカフカの土壌が生まれます。

プランター

黒土はプランターでも使用できますが、使い過ぎると根腐れの危険性が高まります。

プランターで草花を育てる場合には、バーミキュライトを加えるのがおすすめです。

おすすめの配合比

黒土2.5:赤玉土2.5:腐葉土3:バーミキュライト2

バーミキュライトを加えて、排水性と通気性を高めましょう。

まとめ

本記事では、黒土の特徴・主なブレンド・主な使い方について解説しました。

黒土は保水性と保肥性に優れた、多くの場面で活躍する基本用土です。

単体でというよりは、排水性と通気性に優れた土とブレンドして使用します。

ホームセンターでは、黒土の培養土も多く取り扱っています。

いきなり土づくりは難しいという方は、培養土を利用したガーデニングもおすすめです。

ぜひ、土の特徴やよさを学び、ガーデニングに活かしましょう。

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投稿者プロフィール

ryonote
コーヒー歴10年以上。コーヒーと紅茶を愛するwebライター。
喫茶店が大好きで、新しい味わいとデザインに出会うために日本中を旅しています。
webマーケティングやwebデザインも手掛ける。最近の趣味はインドアガーデニング。