【入門】モカコーヒーはどんな味?特徴やおいしい飲み方について解説

数多くあるコーヒーの中でも、甘い口当たりと芳醇な香りが特徴のモカコーヒー。
最古のコーヒーとも称される古い歴史を持ちながら、現代でも高い人気を誇ります。
コーヒーショップやカフェでも定番の人気商品。
Point
ですが、よく目にするチョコレートシロップやホイップがトッピングされたカフェ・モカとモカコーヒーは別物です。
モカには産地によって風味が異なる点や、特別な歴史があります。
本記事では、モカコーヒーの特徴・風味・おいしい飲み方について解説。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
モカコーヒーの特徴

モカコーヒーは、コーヒーの祖とも言われる古い歴史を持ったコーヒーです。
アラビア半島イエメン共和国で生まれ、欧州に広がり、世界中で親しまれるようになりました。
味わい、香りも一級品で、上品な風味と果実を思わせる酸味はコーヒーの貴婦人と称されるほど。
モカコーヒーの産地
モカコーヒーは主にイエメンとエチオピアで栽培されています。
それぞれ生産地域によって種類が区別されており、イエメンでは「モカマタリ」というブランドが有名です。
エチオピアでは「モカシダモ」「モカハラー」といったブランドがあります。
焙煎専門店やコーヒーショップでは、エチオピアモカやイエメンモカという名称で取り扱われる場合も多いです。また、カフェでは産地は明記せず、モカコーヒーとして取り扱われる場合も。
イエメン産、エチオピア産ともに、原種は同じなので、風味はよく似ています。
とくにイエメンモカは、世界的に高い評価を受けていますが、エチオピアモカも風味においては引けを取りません。
モカコーヒーの歴史
モカコーヒーの歴史は古く、15世紀までさかのぼります。
そもそもモカという名称は、イエメン共和国で最も栄えていた港町が由来です。
港町モカでは、15世紀からコーヒー豆の輸出が行われており、17世紀には輸出産業の絶頂期を迎えました。
この頃には世界的にモカの名前は有名になっており、オランダをはじめ、イギリスやフランスといった欧州各国が広く輸入をしています。
Point
ちなみにイエメンのモカ港から輸出されていたコーヒー豆は、イエメン産とエチオピア産の2種類。エチオピアで生産されたコーヒー豆も輸出していたため、それぞれにモカの名前が付いたわけです。
モカは欧州で瞬く間に人気を博し、欧州の生活にコーヒーが広まる一端を担いました。
しかし、18世紀に入り、ペストが大流行すると、イエメンの人口が減少。
ペスト終息後も、各国の軍事介入やエチオピアからの輸出が盛んになったため、港町モカからの輸出は途絶えてしまいます。
現在の港町モカは、コーヒー豆の輸出機能はほとんどなく、漁業や観光業を主に生業とした町です。
港町モカでは輸出されなくなったモカコーヒーですが、その名は現在でも有名で、世界中の人々に親しまれています。
現在のモカコーヒーはティピカ種
現在では、モカコーヒーと言えば、イエメンやエチオピアで作られるティピカ種のコーヒー豆を指します。
ティピカ種は、アラビカ種の原種とも呼ばれ、最古の品種です。
栽培の難しいアラビカ種の中でも、とくに害虫によわいティピカ種。
高まるニーズに対して、収穫量の少ない問題点を改善しようと、品種改良が続けられています。
イエメンモカとエチオピアモカの違い
イエメン産もエチオピア産も原種は同じなので、似た風味をしています。
しかし、コーヒー豆には大きな違いが。
イエメン産は、楕円形で小粒です。
一方、エチオピア産は、細長い形をしています。
モカコーヒーとカフェ・モカは別物
スターバックスやドトールコーヒーなどで提供されているカフェ・モカ。
ホイップやクリームを加えた、甘みのある味わいが人気のあるコーヒーです。
モカコーヒーと同様にモカの名前がついていますが、モカコーヒーとは全くの別物。
あくまで、モカコーヒーは、イエメンやエチオピアで作られるティピカ種のコーヒーです。
カフェ・モカは、エスプレッソにココア・ホイップ・カプチーノパウダーなどを加えて作ります。
もちろん、カフェ・モカがおいしいコーヒーである点には変わりありません。
ですが、カフェでモカコーヒーを飲みたい!という際には、カフェ・モカを間違って注文しないように注意しましょう。
Point
カフェ・モカは、アメリカで考案されました。当時、モカは高価だったため、普通のコーヒーにチョコレートを入れれば、モカの風味に近づくと生み出されたそうです。
モカコーヒーの風味

モカコーヒーは産地やブランドによって若干風味が異なりますが、総じて力強い甘みのある香りと、果実のような酸味が特徴です。
芳醇な香りはチョコレートを思わせるほど。
優しい口当たりで、爽やかな酸味は、レモンやライムのようです。
モカコーヒーの酸味は、内包する甘みと相性がよく、程よいコクがおいしさを引き出します。
Point
同じ酸味でも、コーヒー豆が酸化して生まれる酸味とは全く異なり、旨味となる酸味です。
モカコーヒーは苦みが少ないですが、より苦味が苦手な方はエチオピアモカを試してみてください。
酸味のあるフルーティーな風味を楽しめます。
モカコーヒーのおいしい飲み方

ここまで、モカコーヒーの特徴や風味について解説しました。
人気の高いモカコーヒーですが、よりおいしく飲むにはどのような飲み方がよいか知りたいという方も多くいます。
ここからは、モカコーヒーのおいしい飲み方について解説。
自宅でもカフェでもおいしいモカコーヒーが飲めるようになりますので、ぜひ参考にしてください。
おすすめの焙煎度
モカコーヒーは、産地によっておすすめの焙煎度が異なります。
以下では、それぞれについてまとめました。
イエメンモカ
イエメンモカは、ハイロースト以上の焙煎度がおすすめ。
ハイロースト~シティーローストでは、独特な酸味と甘い香りが引き立ちます。
すっくりとした飲み口で、苦味はあまり感じません。
フルシティーロースト以上の焙煎度では、苦味とコクが力強さを増します。
酸味は落ち着き、焦げた濃厚なチョコレートの香ばしさを思わせる香りをまといます。
エチオピアモカ
エチオピアモカは、ハイロースト~シティーロースの中煎りがおすすめ。
よりモカコーヒーの個性を感じ、魅力ある香りと酸味を楽しめます。
フルシティーロースト以上の深煎りでは、スパイスを思わせる強い香りに変化。
フルーティーな香りと酸味はなりを潜め、苦味とコクが顔を出します。
まずは中煎りで味わうのがおすすめですが、深煎りにしかない魅力もあるので、2回目は深煎りも試してはいかがでしょうか。
焙煎度について詳しく知りたい方はこちらもCheck!
ブラック
モカコーヒーの個性を心行くまで楽しむなら、まずはブラックで味わってみましょう。
モカコーヒーは苦みの少ないコーヒーなので、普段ブラックで飲まない方も、比較的飲みやすいコーヒーです。
一度、ブラックで味わってみるのもおすすめ。
もちろん、砂糖やミルクを入れてもおいしく味わえますが、ザラメや黒糖などとは相性が悪いので注意しましょう。
焙煎専門店やコーヒーショップでモカコーヒーを手に入れたら、ぜひドリップで召し上がってください。
お湯は70℃~80℃がおすすめ
モカをドリップで淹れる場合には、お湯の温度を70℃~80℃にするのがおすすめです。
低めの温度で淹れたモカは、風味が引き立てられ、甘味をしっかりと感じます。
温度が高すぎると、苦味が強くなり、雑味に感じる場合もあるので、まずは低温で抽出してみてください。
モカコーヒーのおすすめブレンド

モカは、苦味が少なく、フルーティーな酸味が特徴のコーヒーです。
個性のある風味から、ブレンドでも多く採用されます。
カフェで、モカブレンドを取り扱っているお店も多いです。
モカは苦味の少ないコーヒーなので、バランスを整えるため、苦味のあるコーヒーとブレンドされる場合が多くあります。
また、価格を抑えるために、ベトナムコーヒーやブラジルコーヒーとブレンドされる場合も。
以下では、モカにおすすめのブレンドについて解説します。
タンザニアコーヒー
モカコーヒーを主役にしたブレンドを楽しむなら、タンザニアコーヒーがおすすめです。
浅入りのタンザニアコーヒーと合わせると、すっきりとした軽やかな味わいになります。
タンザニアコーヒーの風味が強すぎるという方は、さらにブラジルコーヒーを加えるとバランスの取れた仕上がりになります。
コロンビアコーヒー
モカコーヒーに深いコクと余韻のある香りをプラスしたい方は、コロンビアコーヒーがおすすめ。
浅入りのコロンビアコーヒーとの組み合わせは、モカコーヒーの風味に深みが生まれます。
コク・キレ・苦味を楽しみたい方は深煎りのコロンビアコーヒーとブラジルコーヒーの組み合わせもおすすめです。
モカコーヒーの風味は弱まりますが、全体的にキレのよい味わいになります。
まとめ
記事では、モカコーヒーの特徴やおいしい飲み方について解説しました。
最古のコーヒーと称されるモカコーヒーは、長い歴史のなかで、世界中に親しまれているコーヒーです。
日本国内でもさまざまな専門店やショップで購入でき、価格もお手軽なのも嬉しいポイント。
ぜひ、自宅やコーヒーショップで、モカコーヒーを味わってみてください。
ほかのコーヒーもあわせてチェック
>>【入門】ブルーマウンテンコーヒーはどんな味?特徴やおいしい飲み方について解説
投稿者プロフィール
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コーヒー歴10年以上。コーヒーと紅茶を愛するwebライター。
喫茶店が大好きで、新しい味わいとデザインに出会うために日本中を旅しています。
webマーケティングやwebデザインも手掛ける。最近の趣味はインドアガーデニング。
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